ビジネスは何をやるかでなく、誰が・・・

この仕事に就く前、14年間リクルートという会社に勤めました。
この14年が今の私の人生の土台になっていることは間違いありません。
私が入社した92年当時はまだ若い会社というイメージのあったリクルートも、
創業50年を超え、気づけば老舗企業に仲間入りするような会社になりました。
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〈入社当時のロゴ〉
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〈90年代後半、世の中が紙からデジタルメディアに移行するタイミングに変更したロゴ〉
※私はこれが一番愛着あり
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〈退社後2012年に変更された現在のロゴ〉
そんな中、自称なのですが「これはリクルートで1番じゃないかな?」と思っていることが2つあります。
一つは、リクルートで『一番多くのFCをはじめとする独立支援企業の社長に会った』こと。
もう一つは、リクルートで『一番多くの営業マンと同行営業をした』ことです。
前者は自称でなく100%でしょう。後者はあくまでも自称です。
14年在籍した中で、自ら創った独立支援情報誌「アントレ」に9年、その前身となった部署の3年間は1都6県を中心に1日平均3件の同行営業を行いました。
当時のリクルートでは新規分野だったため、
独立支援に関する商談があると営業同行するのが私のミッションでした。
訪問するのは主にFC本部や代理店本部、業務委託制度を持つ企業。
同行するのはリクルートの直販はじめ、販社や代理店の営業マン。
お客様が雇用でなく非雇用で人材を調達したい時に私は呼ばれるのです。
在籍中に同行させてもらった営業マンは2,000人を超えます。
それだけ同行営業を経験すると、
営業マンと商談前の打ち合わせを始めて2~3分でだいたいその人のタイプや実力がわかります。
20代のうちはその印象に間違いがあったこともありましたが、
何度も反復することにより30代になるとその誤差はほとんどなくなりました。
もちろん商談相手であるお客さまへの洞察力はそれ以上の心血を注ぎます。
どのようなタイプの方か?何を大切に事業判断をされている社長なのかは、
オフィスの場所や職場の雰囲気、お客さまの身なり、話し方、
そして少しの質問をさせてもらえればだいたい把握できます。
1日3件の商談でその都度仮説の検証を繰り返していれば何年かすると大外れはしなくなります。
そんな仕事を続けていると、その営業マンとお客様の推移を見ることができます。
あの時、あんなことを言っていた営業マン、お客様がその後どうなったか?
成長して名を馳せて出世した営業マンもいれば、
結果が出ず辞めてしまった営業マンもいます。
倒産や事業を縮小したお客さまもいれば、
拡大して売り上げや従業員数を伸ばしているお客さまもいます。
私はそれを何人も何社も繰り返して見てきました。
気づくと成功するタイプと失敗するタイプの共通点のようなものが見えてきました。
正確に言うと成功するタイプは結構幅広く暗黙知的なところがあります。
あえて言葉にするなら、『継続的なパッションが持てる人』です。
そんな人がビジネスで最も大切な『縁に恵まれる人』なのでます。
失敗するタイプはいくつかのパターンで区切ることができ形式知化できます。
それを凝縮して一言でいうならば成功した人の逆です。
『継続的なパッションが持てない人=粘りがない人=信念がない人』です。
「熱しやすく冷めやすい」⇒「無責任」⇒「信頼が得られない」⇒「縁に恵まれない」です。
こんな考えを持ちながら日々の同行営業を続け、
その仮説に検証を重ねてもやはりこの仮説は覆りませんでした。
そんな私が最後に辿り着いた答えは極めてシンプルでした。
『ビジネスは何をやるかでなく、誰がやるかで決まる。』
来る日も来る日も同行営業をし続け、14年を経て最後に残ったのがこの言葉でした。
なので私は「リクルートを卒業して何をやるか?」ということにあまり興味がわきませんでした。
何をやっても成功する人なのか?失敗する人なのか?はもう私がやる時点で決まっているからです。
どうせ決まっているんだったら、リクルートでは経験できなかった仕事をしてみたい。
そう考えてBtoBの世界からBtoCに行こうとまず決めました。
それがコーヒー焙煎店に辿り着いた第一歩です。
ただ、このブログで非常に偉そうなことを書いてしまいましたが、
未だ自分がどうなのか?は分かっておりません。(苦笑)
自分の事はサッパリというパターンです。
その答えを知るために毎日焙煎しているようなものです。
できれば「成功する人」であって欲しいですが、
それは死ぬまで答えが出なものと最近は考えるようになりました。
ちなみに今はその洞察力を使うことがほとんどありません。
仕事の話を膝を付き合わせて聞く機会がめっきり減りました。
あれだけ毎日使った感性が今はホコリを被っています。
その代りに新しいアンテナが誕生しました。
お客さまのコーヒーの好みを探る感性です。
この精度はまだ自信が持てるほどではないですが、
ちょっとした情報から飲んでいただきたい銘柄を絞り込むクセができました。
勧めた珈琲を気に入ってもらえるのは嬉しいものです。
「美味しい」の一言をいただくために、今は全神経を集中して珈琲豆と対峙しています。
残念なことに、こちらの方がよっぽど難しいです。(苦笑)
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