コーヒー業界の裏事情 【大手VS街の焙煎店VS当店】

日本で最も飲まれている飲み物がコーヒー。
缶コーヒーとインスタントコーヒー、レギュラーコーヒーを合わせると
その量はダントツだそうです。
それだけ飲まれているコーヒーですが、
そのほとんどは一般的に名の通った大手企業が焙煎した豆が使われています。
生豆を専門商社から輸入し、
店舗単位で焙煎している当店のような小規模焙煎店の焙煎量は、
全体の1割にも達していません。
両者にはそれぐらいの差があります。
実はコーヒー界の大手と街の小規模焙煎店には他にも大きな違いが3つあります。
一つは『豆の品質』。
もう一つは『豆の価格』
町の焙煎店は主に商社から生豆を仕入れています。
その商社は産地国のコーヒー協会がそれぞれ格付けした豆を仕入れています。
国によって呼び方が異なりますが、
AAとかNo.2、SHBなど豆の銘柄の語尾についている暗号のようなものがその格付けを表していて、毎年その国の最高級の評価を得た生豆のほとんどが商社経由で日本に入ってきます。
ちなみに苦味が強いコーヒーが主流の欧州では最高ランクの豆は仕入れず、
多くは日本に輸出される下のランクの豆を安い価格で調達しています。
焙煎が深いのでそこまでいい豆を仕入れる必要がないのです。
一方、大手飲料メーカーや大手カフェチェーンは、
安定的に豆を供給するため自社農園を持っています。
多くは発展途上国で栽培されているものなので、
その方がコストも抑えられます。
ただ、グレードは自社規定によるものなので、
同国の民間農園で栽培されたコーヒー豆と横並びに比較されることはありません。
「最高級のコーヒー豆を熟練の職人が・・・」というようなCMを耳にしますが、
自社比較で最高級ということであり客観的な視点はそこに加わっていないのです。
大手の製造する缶コーヒーやインスタントコーヒー、レギュラーコーヒーのそれぞれ原材料を見てみると、産地国の名前が書かれているだけで、豆の銘柄が書かれていないのはそのためです。
そのような背景で、「豆の品質」について「客観的なお墨付きを得て、きちんとした名前のある豆」を使用している焙煎店と、「名もない謎の豆」を使用している大手という違いがあります。
価格については、
安コストで自社生産し、中間マージンがかからない「安い豆」の大手と、
品評会に勝ち抜いたブランド豆に生産者や商社などのマージンが発生する「高い豆」の焙煎店という違いがあります。
スーパーで売っている安いコーヒー豆と焙煎店の豆の価格差にはこういった背景があるのです。
三つ目の違いは『豆の鮮度』
鮮度というのはコーヒーの場合、「収穫されてから」ではなく「焙煎してから」のことを言います。
街の焙煎店は、仕入れた生豆を店で焙煎して販売します。
大手企業の場合、現地に自社の焙煎工場を有し、
現地の人を雇う方がコストメリットがあるため、
ほとんどが収穫した国で焙煎し、船で2~3か月かけて日本に入ってきます。
そこから港の倉庫を経て自社倉庫、工場で袋詰めされてまた倉庫。
その差からなのか、両者ではコーヒーの賞味期限の長さが違います。
一般的に焙煎店は焙煎してから約1年間を賞味期限にしているところが多いのですが、
大手企業は焙煎してから1年半から2年に設定しています。
焙煎してから店舗に並ぶまでの期間が長いため、
1年に設定すると陳列してから半年とか3か月で賞味期限が切れてしまう商品になる可能性があるので長くせざるえないのでしょう。
これが日本で最も飲まれている飲み物であるにもかかわらず、
あまり知られていないコーヒーの裏事情です。
どうせ飲むなら自分がどういうコーヒーを飲んでいるか、
知っておいて損にはならないはず。
余談ですが、当店は街の焙煎店の中でも珍しく、
注文をもらってからその都度焙煎するスタイル。
そのようなスタイルを一般的に焙煎した茶色い豆を置いて販売している店主はどのように見ているか・・・?
『生産性が悪いので採算が合わないはず』なのです。
さすが同業者。それって間違ってないと思います。
これも業界の裏事情。
しかしながら、
その少量焙煎をスタイルとする焙煎店の中で、
当店は年間の焙煎量が日本一になりました!(キッパリ)
その根拠は・・・、
今まで日本一と言われていた店の焙煎量を抜いたから。
だから勝手に私がそう思っているのです。
おかげさまで、です。 
これも裏事情!?
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イェ~イ!(友人から貰ったベトナム土産シャツで)
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