ブルーボトルコーヒーに行ってきました。

オープンして2週間ちょっと。

ようやくなのか、もうなのか、とにかく今話題のブルーボトルコーヒーに行ってきました。 untitled

行列はオープン当初ニュースで見た時の半分ほどでしたが、
それでも寒空の中待つこと50分。

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流行りにさほど関心の無い私が、並んでまでここのコーヒーが飲みたいと思った理由は2つ。

ひとつは質問されるようになったこと。
飲んだことがないのにイメージだけで語るのは両者に失礼かなと。

もうひとつは、私が開業当初から訴えている、
『美味しいコーヒーは「挽きたて」でなく「焼きて」』
という提案に重なるコンセプトをこの店が打ち出していること。

「焙煎後48時間以内のコーヒーをハンドドリップする」というブルーボトルのスタイルに親近感を持ったのがその理由です。

店内は普段着の若いスタッフの活気に溢れていて、
皆イキイキと楽しそうに注文をとり、ハンドドリップしています。

絶えることの無いお客様を相手にずっとこの笑顔での接客は素晴らしい!
「スタッフが幸せでないと、お客さまを幸せにできない。」というのを体現したお店に思えました。

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せっかくなので2杯オーダー。
「パプアニューギニア/550円」と「オリジナルブレンド/450円」。
それと200g/1500円~1900円のコーヒー豆3種類オーダー。

ちなみにコーヒー豆の小売りは「豆のまま」のみで「粉」に挽いたものはありません。

目の前でハンドドリップしてもらい名前が呼ばれます。

カップはオリジナルの紙コップかガラスのカップからチョイス。
記念になるからか紙コップを持っている人が多かったです。
私は550円するコーヒーを紙コップでは飲みたくないので、2杯ともカップにしました。

ここからはお客としてでなく、焙煎士に気持ちを切り替えいざ実飲。

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「パプアニューギニア」は以前ウチでも扱っていた銘柄。
なので違いが判断できます。

ものすごくワクワクしつつ飲んでみました。

「これは・・・うわ~懐かしい、俺も昔こんな珈琲焙煎してた。生焼けや。」

「エッジの効いた」などの表現を通り越した「強烈な酸味」が舌をパンチしてくるような感じ。

酸味がある場合は後味にほのかな甘みが残るのですが、
それがないので直ぐに芯まで火が通っていない豆であることが分かりました。

焙煎してから時間が経過し酸化することにより出てくるエグみのある酸味でなく、
またコーヒー本来が持つ甘みを伴った酸味でもない、若く青臭いつまった感じの酸味です。

これは私も経験があるのでわかりますが、
表面は焼けているものの、芯まで十分な焙煎が進んでいないときにこのような味になります。

青竹を煎じたような酸味。

半分までパプアを飲んでもう一杯のオリジナルブレンドに。

これはブルーボトルで一番苦味のあるブレンドという説明を受けました。

苦味があるということは、それだけ長く焙煎しているということ。
強い酸味はないはずです。

期待して飲んでみたのですが、確かにパプアより口当たりはビターですが、
直ぐに同じ酸味を感じてしまいました。

購入した豆をその場で開封して豆を見たのですが、
やはり豆自体にふくらみが少なく、表面にシワが出ていて十分焙煎が出来ていないのがわかります。

割って断面を確認すると表面と芯の色にグラデーションがあり、十分に火が通っていません。

あの酸味はこの芯の部分から抽出されているものです。

『もったいない・・・』 これが私の印象です。

あのスタッフの笑顔と頑張りに豆がついてこれていないように思えました。

ブルーボトルのコンセプトは、店で焙煎したコーヒーをお客さまに提供することです。
これが他のチェーンと大きく違うところ。

他チェーンは工場で職人が焙煎したものを各店舗に運んでいます。

ブルーボトルは鮮度にこだわるので焙煎と抽出の場所を同じにしました。

素晴らしいことなのですが、
このモデルを成立させるためには熟練した焙煎士が各店舗に必要なのです。

ただ、焙煎はハンドドリップほど簡単ではありません。

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ちょっとしたプラントのような焙煎機

焙煎は本当に難しい。

9年間毎日朝から晩まで焙煎している私もまだまだ豆に振り回されっぱなし。

この仕事に就く人は常にそんなコーヒー豆のことを考えるようになります。

マニュアルでは限界がある仕事。

オープンして日が浅い為、まだ焙煎技術が伴っていない可能性があります。

コンセプトは共感できて、他チェーンとの差別化も明確に出来ているブルーボトルコーヒー。
だからこそもったいない。でもその壁は低くない。

余談ですが、透明のガラスのカップに暖かい珈琲を入れるのにも違和感がありました。

焙煎技術は日々高まると思うので、今後に期待したい思います。

しかし、買って帰った「スリーアフリカンズ」は美味しかったです!!
これはモカベースなので豆自体が小ぶりだから芯まで火が通っています。
柔らかい苦味の後にフルーティーな酸味と甘みが舌の上を行き来して飽きさせません。

コーヒー豆は焙煎して2週間で酸化します。
酸化したコーヒーを「挽きたて」で飲んでもそれは酸化したコーヒー。
コーヒーは「挽きたて」でなく「焼きたて」が一番。

これを世の中に発信する同志として共存共栄を目指したいです。

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