ロブスタ種がアラビカ種を抜く!?
品種改良を繰り返し約100種あるコーヒー豆ですが、
大分類すると「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」の3つに分けられ、
これを「三大原種」と呼びます。
今日はその「三大原種」をサクッとご紹介します。
《アラビカ種》
エチオピアを発祥の地とし、現在は生産国のほとんどで栽培されています。
3種中で品質価値は最も高く、コーヒー焙煎店で扱っている豆はほとんどがこのアラビカ種です。
湿度や雨、霜、害虫の影響を受けやすいため、自然環境のちょっとした変化で収穫量や価格が大幅に変動します。
そういった背景もあり、強いアラビカ種を作るため各国で品種改良が盛んに行われています。
《ロブスタ種》
1898年にアフリカのコンゴで自生していたものを発見。
アラビカ種に比べて耐病性が強く、サビ病で長年悩まされたインドネシアをはじめアジアではロブスタ種の栽培が盛んに行われています。
栽培しやすいという利点がありますが、苦味が強いため主にアラビカ種とのブレンドや缶コーヒー、インスタントコーヒーの原料となっています。
従来はアラビカ種より安価に手に入る豆だったのが、近年アラビカ種に切り替える農園が増えたことによりロブスタ種の生産量が減り、定番のアラビカ種より高値で取引されるロブスタ種が出てきました。
《リベリカ種》
西アフリカのリベリアが原産地。
平地でも栽培でき、干害、少雨、多雨などの環境でも耐え、
耐病性も強く落果しにくいので、労働力が軽減できる利点があります。
ただ、生産量が少なく品質も低いことから、主に自国消費され他には欧州に輸出されるくらいで日本にはほとんど入ってきません。※当店での取り扱いはございません。
当店ではアラビカ種が中心ですが、唯一ロブスタ種として「ベトナムG-1」を単品販売しております。
また「ビターブレンド緑」や「ミルクブレンド」、「アイスブレンド緑・赤」にはロブスタ種である「インドネシアロブWIB-1」をブレンドに使用しています。
ロブスタ種の生豆(インドネシアロブWIB-1)※拡大できます。
私がこの業界に入った2006年ではブレンドにロブスタ種を入れて原価を下げるのが常識でしたが、最近は贅沢なブレンドという位置づけになりました。
一昔前の宣伝文句も『アラビカ種100%』が上質の証だったのが、今ではそれが当たり前。今後は希少価値が高くなった『贅沢にもロブスタ種をブレンドに使用!』というキャッチコピーが出てくるかもしれません。