日本人が初めてコーヒーを飲んだとき

今日は日本にコーヒーが伝来した頃のことを紹介します。
当時の文献では1700年前後の江戸時代。
鎖国政策の下、長崎の出島にオランダ人が持ち込んだとされています。
当時、出島に出入りしていた通訳、遊女、役人、商人の中で、
オランダ人の私生活に深く入り込んでいた遊女だけが
飲んだことのあるものでした。
コーヒーが登場した最初の文献「万国管窮」(1724年)には、
「阿蘭陀の常に服するコッヒィと云うものは、
形豆の如くなれど実は木の実なり」と紹介されています。
ヨーロッパにコーヒーが伝わった時は、
2〜3年でコーヒー店が出来ているのですが、
日本では鎖国の影響もありますが、
かなり時間がかかったようです。
その理由は、
日本人の味覚にコーヒーが合わなかったことが挙げられています。
江戸後期の狂言師の日誌の中で、
「紅毛船にて『カウヒイ』というものを飲む。豆を黒く炒りて粉にし、
白糖を和したるも、焦げ臭くして味ふるに堪へず」と書いています。
野菜を中心にした食生活の日本人は、
肉中心の欧米人とことごとく味の好みが違ったようです。
そんな中、
コーヒーが日本に普及したのは文明開化後で、
はじめて飲んだ牛乳は飲みにくいお薬だったらしく、
それを飲みやすくするために少量のコーヒーを配剤したのが
キッカケと言われています。
粉にしたコーヒーをさらし木綿にくるんで、
あったかい牛乳に浸して吸わせたことが
庶民とコーヒーの初めての出会いだったそうです。
また、
「珈琲糖」という珈琲入り角砂糖が明治22年に発売され、
コーヒーそのものより、
こうしたもので初めてコーヒーの味を知ったのです。
その後明治21年、
上野に日本で初めてのコーヒー店「可否茶館」ができましたが、
時期尚早で25年にはつぶれてしまいました。
全く流行らなかったそうです。
この頃でもストレートでコーヒーを味わう味覚に
日本人はなっていなかったのでしょう。
日本に本格的にコーヒーが根付いたのは、
フランスに留学していた文士や画家達を中心に結成された
「パンの会」のメンバーから紹介されたことでした。
彼らは日本で集まれる場所を作りたいということで、
日本橋に「メゾン鴻の巣」という店を作り、
そこでフランス料理やコーヒーが出されたのです。
与謝野鉄幹、永井荷風、北原白秋など、
当時の著名な文化人が好んで飲みペンを通して
世の中に広がったということです。

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